In This Issue 光子を数える 2008年7月1日 Nature Photonics 2, 7 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue67801 量子光学や量子計算の分野で信頼性のある実験を行うためには、非常に弱い光パルス中の光子数を正確に測定することが重要である。残念ながら、これは非常に難しいことである。これまで、そのような「光子数識別器」は、複雑であり、効率が悪い、極低温まで冷却が必要、応答時間が遅いなどの問題を抱えてきた。今回、東芝欧州研究所のA Shieldsらは、単純で効率がよく、コスト効率の高い光子数識別器の設計について明らかにしている。Shieldsらは、特別に改良したアバランシェ・フォトダイオード検出器(APD)について報告しており、その検出器が異なる数の光子(例えば0個、1個、2個または3個)を含む弱いレーザーパルスを区別可能であることを示している。アバランシェ・フォトダイオードは、単一光子から多数の電子が発生する(したがって検出容易な電流が発生する)アバランシェ増倍効果を利用したものであり、一般的に弱い光信号の検出に使用されている。通常、このアバランシェ効果では、実際に衝突した光子の数が分からないため、正確な光子数を測定することができない。東芝の研究員らは、極めて初期の段階でアバランシェ電流を測定して検出器に衝突する光子の数を決定できる電子回路を組み込むことによってこの問題を解決した。 Full text PDF 目次へ戻る