注目の論文
光子の数を識別する
Nature Photonics
2008年6月15日
Resolving photon numbers
量子光学や量子計算の分野では、信頼性の高い実験を行うために、非常に弱い光パルス中の光子数を正確に測定することが重要である。Nature Photonics(電子版)に発表される論文は、単純かつ効率がよく、高コスト効率大量生産も可能な「光子数識別器」の設計について明らかにしている。
これまで、光子数識別器は複雑であり、効率が悪い、極低温まで冷却が必要、応答時間が遅いなどの問題を抱えていた。A Shieldsらは、特別に改良したアバランシェ・フォトダイオード検出器について報告し、異なる数の光子(例えば0個、1個、2個または3個およびこの範囲の平均)を含む弱いレーザパルスを区別することが可能であることを示している。
アバランシェ・フォトダイオードは、単一光子から多数の電子が発生する(したがって検出しやすい電流が生じる)アバランシェ増倍効果を利用したものであり、弱い光の検出に一般的に使用されている。通常、このアバランシェ効果では、実際に衝突した光子の数がわからなくなるため、正確な光子数を測定することができない。Shieldsらは、極めて早い段階でアバランシェ電流を測定し、検出器に衝突する光子の数を決定できる電子回路を組み込むことによってこの問題を解決した。
doi: 10.1038/nphoton.2008.101
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