注目の論文
マイクロ構造体がレールを進む
Nature Materials
2008年6月16日
Microstructures stay on track
誘導「レール」機構を利用することによって高分子マイクロ構造体を自己組織化させる手法が、Nature Materials(電子版)に報告される。この方法を利用して、再生医療向けに生体細胞の2次元パターンを作製することや、シリコンデバイスを操作してマイクロチップをパッケージングすることが可能になるかもしれない。
マイクロメートルのスケールでは、ロボット工学などの従来型組み立て技術が適用できない場合が多く、最終製品の誤差につながる可能性もある。S Kwonらは、マイクロ流体チャネル内でマイクロ構造体の組織化を誘導する方法を考案し、50個以上のマイクロ構造体からなる複雑な構造体を作り上げている。プロセス開始時に使用されたマイクロ構造体はすべて生成物に組み込まれ、異なる形状の構造体も特定の場所に誘導することが可能である。したがって、例えばエッフェル塔やギリシャの神殿、コンピュータのキーボードなどを二次元で描くことが可能である。
この方法では、チャネルの上面に溝すなわち「レール」が形成されており、高分子マイクロ構造体はこれに合うよう相補的な形状になっている。流体を利用したほかの組織化法と異なり、それらの構造体は、チャネル中の流体の流れの方向に移動するのではなく、レールに沿って誘導される。
doi: 10.1038/nmat2208
注目の論文
-
6月6日
材料科学:脳を監視するワイヤレスセンサーNature
-
6月6日
人工知能:リソース不足の言語も翻訳するメタ社のAIツールNature
-
5月30日
物理学:視覚チップとハイブリッドカメラによって自動運転車の視覚を強化するNature
-
5月28日
惑星科学:金星で発見された最近の広範囲に及ぶ火山活動Nature Astronomy
-
5月16日
工学:トカゲにヒントを得た建物系は全倒壊を免れるかもしれないNature
-
4月25日
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature