注目の論文
レーザービームを細くする
Nature Photonics
2008年7月28日
Sharpening laser beams
レーザービームには固有の広がりがある。この広がりの問題は、通常、レンズや曲面鏡を用いて光を集束、つまりコリメートすることによって克服される。しかし、これには、一般的に綿密な光学アラインメントが必要である。今回Nature Photonics(電子版)に掲載される論文で、研究者らは、表面プラズモン(2つの物質の界面において光によって励起される電子密度のゆらぎ)を利用してこのビームの広がりを低減できることを示した。
N Yuらは、表面プラズモンを利用して、量子カスケードレーザー(中赤外から遠赤外域の光を発する半導体レーザー)で発生したビームを整形している。Yuらは、1つの金属スリットと複数の溝をレーザーの前面にエッチングで形成しているが、この構造のおかげで、レーザー光が表面プラズモン波と効率よく結合した後、散乱されて非常に細い光ビームとなる。
しかし、細いビームをうまく作るためには、スリット-溝構造の数種の特性(スリットの幅、各溝の幅と深さなど)を最適化しなければならない。Yuらが最適化を行ったところ、レーザービームの広がりは25分の1未満の約2.4°となった。さまざまなビームをこのように人工的に作ることにより、光を光ファイバーにもっと効率よく結合させる方法が得られるであろう。
プレスリリースダウンロード
浜松ホトニクス株式会社のニュースリリース – 高い指向性を持った半導体レーザを実証(148kb)記者会見の写真
小発散角半導体レーザーについて発表する浜松ホトニクスの枝村忠孝氏
doi: 10.1038/nphoton.2008.152
注目の論文
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月18日
惑星科学:嫦娥6号のサンプルが月の裏側の火山活動の年代を特定Nature
-
11月14日
物理学:スマートフォンによる電離層の変化のマッピングNature
-
11月13日
地球科学:2022年のマウナロア火山の噴火を調査するNature Communications
-
11月12日
惑星科学:ボイジャー2号が天王星をフライバイしたのは太陽の異常現象の最中だったNature Astronomy
-
11月8日
惑星科学:火星の岩石堆積物は太古の海の名残かもしれないScientific Reports