注目の論文

THz位相変調器

Nature Photonics

2009年2月23日

THz phase modulator

このほど、テラヘルツ(THz)放射の位相を制御するデバイスが開発された。これまで困難であったテラヘルツ放射の操作が可能になることによって、THzレーザービームの強度、伝搬方向、データ転送能力を自由に変える機会が提供され、イメージングやセンシングなどの技術に役に立つ。

H-T Chenらのデバイスは、メタマテリアル(化学組成のみによってもたらされる光学特性のほかに、追加的な光学特性が構造によってもたらされる)から形成されている。メタマテリアルに電圧を印加することにより、その特性が変化し、デバイスを通る光を制御できる。また、研究チームは、極めて優れた高速動作(今のところ3桁速い)を示す一方で、周期的に光線を物理遮断する市販の機械的光チョッパーに匹敵する性能の広帯域THz信号変調についても報告している。

今回のTHz位相変調器には、さらなる性能の改良が必要である。しかし、本研究は非常に求められているTHz用基本部品である位相変調器を提供するばかりでなく、いかにしてメタマテリアルが現実世界の問題に実用的な解決策を与えられるかを示す明確な例である。

doi: 10.1038/nphoton.2009.003

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