注目の論文
生きた細胞を選り分ける
Nature Physics
2009年6月15日
Living cells sorted
Nature Physics(電子版)に、さまざまな種類の細胞の集まりを容易に選り分ける方法が報告されている。この論文では、種依存的な生細胞の動きによって、細胞をマイクロ流体デバイスの別々のリザーバーに導き入れて選り分けられることが示されている。このことから、健康な細胞からがん細胞を濾し分ける新しい方法が最終的には可能になるかもしれない。
B Grzybowskiたちは、チャネルの壁がのこぎりの歯のような非対称構造をしていると、細胞を1つの方向に優先的に動かすことができるという「ラチェット効果」を利用して研究を行った。その結果、特定のチャネル構造では、細胞が優先的に動く方向はチャネルを通って動く細胞の種類によって決まることがわかった。Grzybowskiたちは、この結果を利用して、健康なラットの細胞、マウスの皮膚がん細胞、ヒトの乳がん細胞から選んだ2種類の細胞の混合物を選り分けて、2つのリザーバーに別々に入れている。
この効果は、さまざまな細胞の構造や力学的特性の違い、つまり病的な細胞と健康な細胞の間にしばしば生じる違いに起因すると考えられている。
doi: 10.1038/nphys1306
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