注目の論文
がん細胞を殺す新しい方法
Nature Materials
2009年11月30日
A new way to kill cancer cells
磁性ナノディスクを使ってがん細胞を殺す方法が、Nature Materials(電子版)に報告される。今回の方法は、以前の方法の10分の1の強さの磁場を、はるかに低い周波数で利用するものである。これにより、強磁場に伴う副作用を避けることができるであろう。
E Rozhkovaらは、非常に薄く小さなパーマロイ(鉄とニッケルからなる磁性合金)ディスクを作製した。パーマロイディスクの中では、すべての原子の磁化が同心円状に並んでおり、「磁気渦」を形成する。交番磁場をかけるとパーマロイディスクは振動する。Rozhkovaらは、この振動が癌細胞膜を損傷しプログラム細胞死を引き起こすことを、実験室試験で示している。
この方法によって、磁性粒子療法の臨床利用を妨げてきた問題の一部(強磁場や、永久磁化をもつ粒子の体内での蓄積・凝集など)が克服されることになる。
doi: 10.1038/nmat2591
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