注目の論文
光の一方通行
Nature Photonics
2009年1月12日
One-way photonic street
このほど、一方向に光を送ることのできる小型光「アイソレーター」が開発された。このデバイスは、シリコンナノフォトニック構造体でできており、将来チップ上に光回路を作製する際、非常に重要となるであろう。
これまで、「オンチップ」での完全な光アイソレーション(光伝搬の完全な一方向弁としての機能)の実現が困難であるため、精巧なフォトニック集積回路の開発が妨げられてきた。一般的に反射によって生じる逆方向伝搬光は、フォトニックデバイスにおいて問題となることが多く、光通信システムの性能を大きく損なう可能性がある。逆方向伝搬光を阻止するデバイスは、光アイソレーターとして知られており、既に存在している。しかし問題は、これらのアイソレーターが、集積回路製造技術、特にシリコン相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術と互換性のない磁気光学材料に依存していることである。
今週のNature Photonicsオンライン版では、S FanとZ Yuが、シリコン導波路とリング共振器からなるフォトニック構造体を用いたオンチップ光アイソレーション方式を提案している。この方式では、構造体の屈折率を時間的・空間的に変調することによって、エネルギーと運動量が逆方向伝搬光ではなく順方向伝搬光のみに与えられるため、これらが分離される。その結果、CMOS互換性材料系を用いて超小型完全光アイソレーターが作製可能となる。
doi: 10.1038/nphoton.2008.273
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