Research Press Release
骨粗しょう症に新しい治療法の可能性
Nature Medicine
2010年2月8日
セロトニン合成の阻害が、骨粗しょう症の治療になる可能性があるらしい。
骨粗しょう症は骨量が少なくなる病気で、多くの場合、骨喪失の亢進と骨形成の不足によって起こる。セロトニンは脳の神経伝達物質という役割が最もよく知られているが、腸でも生産され、骨形成を阻害する。
G Karsentyたちは、セロトニン生合成を阻害すると骨形成が増加して骨粗しょう症が治癒するかどうかを検証した。まず、セロトニン生合成のカギとなる酵素トリプトファンヒドロキシラーゼの阻害剤を開発し、これを骨粗しょう症のマウスとラットに1日1回、最長6週間投与したところ、この化合物は、骨形成を増加させることにより骨粗しょう症を防ぎ、改善させた。
現在の骨粗しょう症の治療法は、副甲状腺ホルモンを毎日注射することで、骨形成を促進する効果がある。今回の研究により、セロトニン合成阻害剤が次世代の骨粗しょう症治療薬になる可能性が明らかになった。
doi:10.1038/nm.2098
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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