Research Press Release
炎症が糖尿病を促進する
Nature Immunology
2011年4月11日
肥満が免疫細胞からの炎症応答の引き金となって、これがインスリン抵抗性や2型糖尿病といった代謝疾患につながる可能性があるとの報告が寄せられている。この発見によって、免疫系がどのような仕組みで、広く見られる代謝疾患に直接かかわっているのかが明らかになり、炎症を標的にした治療介入が有効な可能性が浮かび上がった。
細胞内のインフラマソームと呼ばれる分子複合体は、細菌からアスベストまで、さまざまな有害物質に対する炎症の引き金となり、免疫系で重要な役割を果たしている。J Tingたちは、高脂肪の食事に多く見られる脂肪酸の1つパルミチン酸がインフラマソームの活性化の引き金となることを発見した。パルミチン酸が誘発した炎症が、2型糖尿病の大きな特徴である肝細胞のインスリン感受性阻害にもかかわっているという。
doi:10.1038/ni.2022
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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