Research Press Release
慢性喘息の新しい標的
Nature Medicine
2011年4月18日
肺の免疫細胞のタンパク質LIGHTを阻害すると気道リモデリングが防げることが、喘息のマウスモデルで明らかになった。この研究が示すように、この経路を標的にすれば、喘息が関連した気道リモデリングによって呼吸障害が生じるのを防げるかもしれない。 重い喘息の患者では、肺に慢性の炎症が起きて消散せず、気道リモデリング、肺線維症、肺機能の低下につながる。喘息の現在使われている治療法では、気道の炎症はコントロールできるものの、気道リモデリングにはほとんど効果は見られない。M Croftたちは、チリダニのアレルゲンへの曝露で活性化された免疫細胞ではLIGHTというタンパク質が発現され、これが気道リモデリングを促すことを発見した。遺伝的に、あるいは抗体を用いてLIGHTを阻害すると、アレルゲン曝露による気道リモデリングや肺機能低下を防ぐことができ、しかも免疫細胞の肺への流入は変化しない。
doi:10.1038/nm.2356
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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