Research Press Release
片頭痛に関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2011年6月13日
普通型片頭痛に対する感受性に関連する遺伝的多型が同定された。この成果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
片頭痛は、高頻度に見られる異質性の高い神経疾患で、神経科外来患者の最大20%が罹患しており、男性より女性の患者数が多い。
今回、M Schuerksらは、地域住民を対象とした研究における片頭痛を訴える5122人の女性と片頭痛を訴えていない1万8103人の女性を対象として、普通型片頭痛のゲノムワイド関連解析を行ったことを報告している。その結果、片頭痛に対する感受性に関連する3つのゲノム領域が同定され、そのうちの2つは、非片頭痛性頭痛と比べて、片頭痛に特異的だった。そして男性と女性の両方を対象とした再現解析では、3つのうちの1つのゲノム領域が、女性との関連がより強いことがわかった。ここでの候補遺伝子の1つであるTRPM8は、ニューロンで発現し、痛みのセンサーがコードされている。もう1つの候補遺伝子であるLRP1は、細胞外環境と神経伝達物質経路の感知に関与している。
doi:10.1038/ng.856
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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