Research Press Release
進化:進化史に残る大きなくちばしの古代鳥
Nature
2020年11月26日
オオハシの現生種を思い起こさせる、大きくて奥行きのあるくちばしを持つ新属新種の鳥類の化石について報告する論文が、今週、Nature に掲載される。この化石標本は、白亜紀後期(約1億~6600万年前)のマダガスカルに生息していた鳥類種のものであり、古代鳥のくちばしがこれまで考えられていたよりもはるかに多様であったことを示唆している。
中生代(2億5000万~6500万年前)の鳥類は、体サイズと行動に多様性があったが、くちばしの形状は、比較的似ていたと考えられていた。今回、Patrick O’Connorたちの研究チームは、こうした考えに反する新属新種のカラスのサイズの鳥類Falcatakely forsteraeの化石について記述している。F. forsteraeのくちばしは、大きく、奥行きがあり、その時代に一般的だった他の鳥類とは明らかに違っていた。上顎は横に広がっており、先端には小さな歯があった。くちばしの骨要素は、その三次元形状とともに、現生鳥類に似た顔面の解剖学的構造の発達を示す一方で、頭蓋骨と上顎は、飛翔能力のない獣脚類のものに似ていた。
O’Connorたちは、F. forsteraeは中生代の鳥類のくちばしの多様性を示していると結論付けている。
doi:10.1038/s41586-020-2945-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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