Research Press Release
量子コイン投げ
Nature Communications
2011年11月30日
情報損失を利用する不正直者による偏りが入り込まない量子コイン投げが実験的に実証された。この研究成果は、量子暗号での応用に結びつく可能性があり、通信を行っている者がお互いを信用していない状況でのメールの認証や遠隔地者間の契約調印などの手順に利用できるかもしれない。 量子暗号は、光子(光の粒子)の量子状態を用いて、情報を符号化し、その情報を安全に送信するために用いられるが、これは、量子系を乱さずに量子系の測定はできないという事実を利用している。ところが実用的な系では量子データの損失が起こるため、不正直者が量子コイン投げの結果を完全に偏らせることができるようになっている。今回、F Bussieresたちは、この問題を解決する1つの方法を示した。この方法を用いれば、情報損失を利用して相手をもっと効果的にだますことはできなくなる。
doi:10.1038/ncomms1572
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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