Research Press Release
コンピューターの頭脳構造を単純化する
Nature Communications
2011年9月14日
このほど、従来よりも単純なリザーバコンピューティング構造が考案され、音声認識で高い性能を発揮することが実証された。この新しいコンピューティング構造に対して、より複雑なコンピューティング構造に使用すると極めて高コストとなる高速コンポーネントを利用すれば、情報処理の費用効果をいっそう高められるかもしれない。今回の研究成果を報告する論文は、Nature Communicationsに掲載される。
リザーバコンピューティングは、脳のニューロンネットワークを模倣した機械学習パラダイムで、音声認識のような難しい計算課題に取り組むことができる。
今回、I Fischerたちは、このパラダイムにおいて一般性の高い三段階構造を単純化して、遅延フィードバックのある単一の非線形ノードにできることを明らかにし、音声認識のテストケースにおいて、この新しい構造が高い性能を発揮することを実証した。Fischerたちは、この単純化された構造を(エレクトロニクスシステムやフォトニクスシステムのような)複雑なネットワークに適用することで、資源効率を高められる可能性があると考えている。
doi:10.1038/ncomms1476
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:遠い昔に存在していたナイル川のアフラマト支流沿いに建設されたエジプトのピラミッド群Communications Earth & Environment
-
工学:トカゲにヒントを得た建物系は全倒壊を免れるかもしれないNature
-
動物行動学:雄マウスの仔育てに影響を及ぼすかもしれない細胞Nature
-
進化学:バオバブの系譜をたどるNature
-
気候:2023年の夏は2000年に1度の暑さだったNature
-
健康:高齢者の暑熱曝露のリスクが大きくなるNature Communications