Research Press Release
A(H3N2)型インフルエンザウイルスの抗原性を予測する方法
Nature Communications
2012年2月29日
インフルエンザA/H3N2型ウイルスの抗原クラスターを予測する新しい計算法が発表された。この新知見は、ワクチンの製造に用いるウイルス株を特定するために役立つことが期待される。研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。 流行するインフルエンザのウイルス株は、その特徴が絶えず変化しているため、インフルエンザワクチンを2〜5年ごとに更新して、そうした変化に対応させることが求められる。そのための方法としては、インフルエンザ株から見つかるヘマグルチニン抗原遺伝子の進化系統樹の解析が行われてきた。今回、T Jiangたちは、中国本土で1968〜2009年に単離されたインフルエンザA/H3N2型の1000種以上のウイルス株についてヘマグルチニン抗原遺伝子の塩基配列解読を行った。そして、新しい計算法を用いて、ヘマグルチニン抗原の12の構造的特徴と生理化学的特徴を解析して、これらのウイルス株の抗原クラスターのモデルを作成した。Jiangたちは、この成果によって、1968〜2009年にわたる中国でのA/H3N2型ウイルスの進化をたどり、今後の予防接種プログラムで有用となる可能性のあるウイルス株を予測した。
doi:10.1038/ncomms1710
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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