Research Press Release
白血病の成長や治療への抵抗性の手がかり
Nature Medicine
2012年6月11日
白血病細胞は、肝細胞増殖因子(HGF)の分泌を増やしてその受容体であるMETを活性化することによって、自己を養い、増殖を促進できるとの報告が寄せられている。白血病細胞は、このような自己分泌ループのおかげで、METの阻害という治療を回避しているという。
Thomas Lookたちは、白血病細胞株と臨床試料を用いてゲノムのスクリーニングを行い、異常なHGF発現が、ある種の急性白血病の発症に不可欠な要因であることを発見した。そして、MET阻害剤での治療によって薬剤抵抗性が生じるのは、HGF発現の亢進によってMETの阻害が補償されるためであることを明らかにした。
この知見は、癌に対する標的化治療を設計する際に、癌細胞の適応応答への配慮が重要になることを示している。
doi:10.1038/nm.2819
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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