Research Press Release
【生態】密漁者の足取りを追う
Nature Communications
2012年5月23日
遺伝子関連マーカーを用いて個々の魚の起源集団を突き止めることができることを示唆する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この知見は、密漁対策に有用なツールとなる可能性がある。
Illegal(違法)、Unreported(無報告)でUnregulated(無規制)な漁業(IUU漁業)は、世界の魚類資源の乱獲に大きな役割を果たしている。現行の国際規制では、漁獲証明書が必要とされ、この証明書には、欧州連合内で売買される魚類と魚加工品の原産地が記載されている。しかし、この証明書を独自に監視する方法がなく、その開発が必要とされている。
今回、E Nielsenたちは、タイセイヨウマダラ、ニシンなど4種類の水産業上重要な海産魚類種に遺伝子関連マーカー(一塩基多型)を使用したところ、93〜100%の確率で魚類の原産地を正しく判定でき、この方法が有用なことが判明した。今後、これを世界中で適用することで、密漁の追跡調査と魚類資源の原産地偽装の解消に役立てられるかもしれない。
doi:10.1038/ncomms1845
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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