Research Press Release
豪雨による地下水涵養
Nature Climate Change
2012年11月12日
地下水涵養とは、地下水採取量を超えるレベルの水分が充填されることだが、これが低頻度の豪雨事象と関係していることを報告する論文が、今週、Nature Climate Change(オンライン版)に掲載される。現在のところ、豪雨は、負の社会経済的影響、例えば、作物や財産の損失と関連づけられている。これに対して、今回の研究結果では、今後、気候変動によって地下水以外の水源が枯渇するにつれて、地下水が極めて重要な水源となるため、豪雨にも利点があるという考え方が示唆されている。
今回、R Taylorたちは、55年間にわたる中央タンザニアの帯水層における地下水水位の観測結果をまとめ、その内容を検討した。その結果、Taylorたちは、この地域で支配的な非人為的熱帯気候変動モードの主要な事象に伴う異常な豪雨が原因となって、地下水涵養が非常に不規則に発生することを明らかにした。そして、毎月の豪雨が増える傾向がモデル予測で示されていることから、将来的には、豪雨事象の発生率が今よりも高くなる可能性があると予測している。
doi:10.1038/nclimate1731
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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