Research Press Release
【生物工学】古紙からバイオ燃料
Nature Communications
2012年11月21日
動物や植物と共通の特性をもつ単細胞微生物が、セルロースをエネルギー源として生育する能力をもつことが明らかになった。この微生物を光とともに利用すれば、古紙からバイオ燃料を作り出せるようになるかもしれないのだ。この新知見を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
消化されにくい植物成分を分解できる能力は、太陽光をエネルギー源として使えない生物だけに限られている、というのがこれまでの考え方だった。今回、O Kruseたちは、光合成を行う緑藻コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)が、セルロースを分解して、もっと小さな分解産物を生成するための酵素を分泌でき、この分解産物が、細胞に取り込まれて、成長のためのエネルギー源に変換されることを発見した。現在、水素や油によるバイオ燃料を藻類から生成する研究に多大な労力が費やされているが、今回の研究で、コナミドリムシが、これまでよりも高い効率で植物廃棄物をバイオ燃料に変換するための触媒としての新たな役割を果たす可能性が生まれている。
doi:10.1038/ncomms2210
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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