Research Press Release
ハイチの増幅された破壊
Nature Geoscience
2010年10月18日
ハイチ地震の際の地動は山脈の尾根に沿って顕著に増幅され、構造物に重大な被害を及ぼしたとの報告が寄せられている。
微細地域分類図(マイクロゾーネーション)は地震災害特性を局所的な地質条件を用いて決めるが、地球表面の形状である地形を考慮しないことが一般的である。S Houghらは、ハイチ地震後の余震を測定して地動がポルトープランスの異なった場所でどのように変化するかを評価した。Houghらは、柔らかい堆積層、堅い地盤、および岩でできた山脈の尾根に位置する観測点の比較を行った。期待されるとおりに、柔らかい堆積層上に建てられた構造物は増幅された揺れに見舞われたが、驚くべきことに、最も強い揺れは山脈の尾根で起き、その結果、ホテルの倒壊をまねいた。
今回の発見によって、地形は局所的な岩石種だけでなく、地震災害に重要な役割を果たすことが示された。
doi:10.1038/ngeo988
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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