Research Press Release
強い海洋底層流の発見
Nature Geoscience
2010年4月26日
南極の大陸棚海からの密度が大きく冷たい水は、深さ3,000メートル以深で発見された最強の平均流として北向きに流れる。Nature Geoscience(電子版)に掲載される研究は、南極近傍のケルゲルン海台に沿った強い流れは全球海洋深層水循環の重要な一部分となっていることを明らかにしている。
北海道大学の深町康らは、ケルゲルン海台東部に2年間設置された深層水流速計アレイを用いて、深部における北向きの流れを監視した。彼らは、平均として毎秒約800万立方メートルの0.2℃よりも温度の低い水が北向きに輸送され、これは南極深部から流出する別の支流としてこれまで報告されていたもののおよそ4倍以上に及ぶと見積もっている。いわゆる南極底層流は、気候システムの重要な一部を構成している全球海洋循環の中で最も密度が大きく深さが深い水塊を形成している。
News & ViewsでA Orsiは、「深町らがケルゲルン海台で報告しているような強力な海洋学的測定は、今後も気候学の研究者に大きな利益をもたらすだろう」と述べている。
doi:10.1038/ngeo842
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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