Research Press Release
小さな生物の大量絶滅
Nature Geoscience
2010年3月1日
北半球海洋中の小さな植物プランクトンは、6500万年前の大量絶滅事件の際には南半球に生息していたものよりもはるかに速い速度で絶滅したとの報告が寄せられている。北半球の植物プランクトンが復活したのは、南半球の海洋で復活したよりもずっと後であったこともわかった。
20マイクロメートルよりも小さい植物プランクトン集団は、大規模衝突事件と関係がある白亜紀/第三紀大量絶滅事件の際に絶滅した。T Bralowerらは、衝突で生じた破片の雲(このような植物プランクトンが成長するために必要な太陽光を阻止し、金属を含んだ塵を海洋表面に落下させることでそれらに毒を与えた)が北半球に集中したために、絶滅の速度が速くなったと提案している。研究チームはまた、北半球海洋生物多様性の復活は、この地域で植物プランクトンの復活が遅くなったことで遅れた可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/ngeo775
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:遠い昔に存在していたナイル川のアフラマト支流沿いに建設されたエジプトのピラミッド群Communications Earth & Environment
-
工学:トカゲにヒントを得た建物系は全倒壊を免れるかもしれないNature
-
動物行動学:雄マウスの仔育てに影響を及ぼすかもしれない細胞Nature
-
進化学:バオバブの系譜をたどるNature
-
気候:2023年の夏は2000年に1度の暑さだったNature
-
健康:高齢者の暑熱曝露のリスクが大きくなるNature Communications