Research Press Release
熱の原因
Nature Immunology
2010年8月30日
"発熱分子"が受容体と相互作用するしくみの報告が寄せられている。この知見は、新しい抗炎症治療の開発につながる可能性がある。
重要な炎症性分子インターロイキン1(IL-1)は、感染と闘う免疫細胞を活性化するが、その放出が体温上昇の引き金となることから"発熱分子"ともよばれる。IL-1にさらされる期間が長引くと、関節リウマチなどの自己炎症性疾患によく見られるように、組織の損傷を引き起こすことがある。
Xinquan Wangたちは、IL-1β(主要なタイプのIL-1)が、活性化受容体IL-1RI(炎症シグナルの伝達を促進する)や阻害性受容体IL-1RII(炎症シグナルの伝達を抑制する)とどのように結合するかを推定した。両受容体との分子レベルでの相互作用を手がかりにすれば、IL-1RIIではなくIL-1RIだけに作用して抗炎症作用を示す物質の開発につながるかもしれない。
doi:10.1038/ni.1925
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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