Research Press Release
氷の融解による最近の海面上昇
Nature Geoscience
2013年6月3日
2005年と2011年の間の海面上昇は主に山脈氷河と極域氷床の融解によって生じたという報告が、今週オンライン版に掲載される。この発見は、この期間に海面が毎年2.4ミリメートル上昇したことを示唆している。
Jianli Chenたちは、GRACE人工衛星の重力データを用いて、2005年と2011年の間の海水質量変化を見積もった。彼らは、この期間に海水質量は増加して、年間1.8ミリメートルの海面上昇をもたらしたが、これは主にグリーンランドと南極氷床および山脈氷河の融解が原因であったことを示している。彼らは、同じ期間での密度低下が毎年0.6ミリメートルの海面上昇をもたらしたと見積もっている。これら二つの手法により求められた全体の海面上昇は、人工衛星高度計により得られた毎年2.39ミリメートルの海面上昇の見積もりを独立して支持する結果となっている。
doi:10.1038/ngeo1829
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:遠い昔に存在していたナイル川のアフラマト支流沿いに建設されたエジプトのピラミッド群Communications Earth & Environment
-
工学:トカゲにヒントを得た建物系は全倒壊を免れるかもしれないNature
-
動物行動学:雄マウスの仔育てに影響を及ぼすかもしれない細胞Nature
-
進化学:バオバブの系譜をたどるNature
-
気候:2023年の夏は2000年に1度の暑さだったNature
-
健康:高齢者の暑熱曝露のリスクが大きくなるNature Communications