Research Press Release
海洋動物の移動が海洋酸素損失を増大させる
Nature Geoscience
2013年6月10日
海洋小動物が毎日海洋の深部へ移動することで、外洋の低酸素水における酸素欠乏が増大すると報告が今週掲載される。この発見は、将来海洋の酸素レベルが変化したときに、これら海洋動物の移動パターンが変化する可能性があることを示唆している。
Daniele Bianchiらは、日中に海洋動物が潜航する深さを、1990年から2011年の間に全球で得られた音響データを用いて検証した。彼らは、表面下の酸素濃度が高いときはこれらの動物はより深く潜ることを見つけた。酸素が低い地域では、動物は低酸素水の上限まで移動するだけである。数学モデルを用いて、彼らは小動物の日々の移動は海洋の酸素極小帯における酸素損失を悪化させることを示している。
doi:10.1038/ngeo1837
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour
-
環境:世界のプラスチックのうち、再生材料から製造されたものは10%未満Communications Earth & Environment
-
神経科学:マウスの脳地図が構造と機能の関係性を明らかにするNature
-
考古学:狩猟採集民がマルタに向けて出帆Nature