Research Press Release
古代巨型動物類絶滅の現代への影響
Nature Geoscience
2013年8月12日
約12,000年前に南アメリカから大型草食動物がいなくなったことは、アマゾニアをわたる水平方向の栄養素輸送の減少をもたらし、今日のアマゾン盆地で見られる限定的なリン利用可能性を説明出来るという報告が、今週オンライン版に掲載される。
Christopher Doughtyらはモデルを用いて、ナマケモノやアルマジロに似たグリプトドントなどの古代巨型動物類が自らの糞や肉によって栄養素を高濃度の地域からその周辺へと輸送させていたことを示している。一連の計算を用いて、彼らはこれらの動物が絶滅したことは地域全体における栄養素の水平方向の輸送の劇的な減少を伴ったことを見つけた。この効果はアマゾン盆地で最も明瞭であり、水平方向の栄養素輸送は最大98%も減少したが、アメリカ、ユーラシア、オーストラリアでも見ることが出来る。
関連するNews & Viewsの記事で、Tanguy Daufresneは、「栄養素分布に対する巨型動物類の痕跡は薄れており、全球の生物地球化学との関連性に疑問を投げかける時期かもしれない」と述べている。
doi:10.1038/ngeo1895
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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