Research Press Release
植物多様性が変化を遅らせる
Nature Geoscience
2013年10月7日
気候と植生に同時に突然発生する変化は、多様な植物生態系の存在により減じることができるという報告が、今週オンライン版に掲載される。この研究は、約4000年前のアフリカ湿潤期の末期に起きた草原から砂漠への変化は、多様な水蒸気を必要とする植物種が繁茂していた地域では突然ではなくゆっくりとしたものだったことを示している。
Martin Claussenたちは、水蒸気必要量により植物種を代表させた概念的モデルを用いて、植生と気候との間のフィードバックに対する植物多様性の影響を研究した。彼らは、ある植物種は降雨変化に敏感だとしても、植物系全体の気候変動に対する応答は植物の多様性が十分大きければゆっくりとしたものとなり得ることを発見した。しかしながら彼らは、この復元力は壊れやすいものであり、特定の植物種が取り除かれると気候と植生に突然の変化をもたらし得ると警告している。
「おそらく、植物多様性が気候に及ぼす影響を理解することはサハラ砂漠の植生を回復することに役立つ」と、Stefan Dekkerが関連するNews & Viewsの記事で述べている。
doi:10.1038/ngeo1962
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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