Research Press Release
南極氷流の下にある融解水の水路
Nature Geoscience
2013年10月7日
氷河下の融解水は異なった水路を通って南極氷床から流れ去るという報告が、今週オンライン版に掲載される。このような水路による排水系は浮遊する氷棚の下の融解速度、氷棚の安定性および氷流の力学過程に影響を及ぼすと考えられている。
Anne Le Brocqたちは、人工衛星と航空機の測定を用いて、西南極のフィルヒナー・ロンネ氷棚表面に見られる線状の特徴を同定し、これらの特徴をレーダー観測により検出された氷棚の下の水路と関連づけた。彼らは、この水路は陸上にある氷床の下で流れる融解水の水柱により形成され、集中した出口のところで海洋に流入すると結論している。フィルヒナー・ロンネ氷棚などの表面に見られる特徴は、大陸の周りにある他のいくつかの氷棚表面でも明瞭に見られるので、研究者たちは水路による氷河下の排水系は南極で広範に存在すると示唆している。
doi:10.1038/ngeo1977
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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