Research Press Release
【化学】バイオ燃料の増産に役立つ方法
Nature Communications
2013年10月9日
遺伝子組換え酵母を用いてバイオ燃料の生産効率を高める方法が、今週、Nature Communicationsで発表される。今回の代謝工学研究が行われた結果、この遺伝子組換え酵母を用いて、これまでより大量のセルロース系バイオマス(樹木、草や食用に適さない植物材料から産生される)をエタノールに変換できるようになった。
微生物を用いたセルロース系の非食用バイオマスのバイオ燃料への変換には、今のところ、数々の制約がある。バイオマスの成分で大きな割合を占めるのがキシロースだが、微生物がこれをなかなか代謝できないうえ、この代謝過程では、他の成分から酢酸が生成される。それに、酢酸は微生物に対して毒性があるため、バイオ燃料の生産性がさらに低下するのだ。今回、Yong-Su Jinたちが作製した遺伝子組換え酵母は、キシロースと酢酸の両方を代謝できることが判明した。その結果、これまでより効率的なバイオマスの利用が可能となり、生産性と収量が向上した。
doi:10.1038/ncomms3580
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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