【生物科学】200日間ノンストップの高速飛翔
Nature Communications
2013年10月9日
シロハラアマツバメ(Tachymarptis melba)がサハラ砂漠を横断する渡りで6か月以上連続して飛翔することが判明した。今回の研究は、睡眠など非常に重要な生理過程のすべてが飛翔中も持続することを示唆している。
飛翔は、陸上や水中での生活と比べて、非常にコストのかかる活動だ。これまでの理解では、渡り鳥が渡りに伴って長距離飛翔を行う場合には陸上や水上で休息するとされていた。
今回、Felix Lietchiたちは、シロハラアマツバメの3個体がサハラ砂漠横断を含むヨーロッパ・西アフリカ間の渡りで、200日間にわたる連続的飛翔を行っていたことを示す証拠を明らかにした。この研究で、Lietchiたちは、シロハラアマツバメに所在地と活動レベルを計測できるGPSデータロガーを取り付け、そこに蓄積されたデータをもとに、少なくとも7か月間にわたるシロハラアマツバメの繁殖以外の運動と活動パターンを再現した。Lietchiたちは、200日の期間中にシロハラアマツバメが活動を続けており、その間は滑空しているか、羽ばたいていたことを指摘し、ここから、シロハラアマツバメが200日間、2,000キロメートルを超える距離を飛翔した後も休息をとらなかったと結論づけた。さらに、シロハラアマツバメの活動パターンからは、アフリカでの非繁殖期に飛翔を続け、飛翔中に体力を回復していた可能性が非常に高いことも明らかになった。現在までのところ、こうした長期間にわたる移動活動の報告は、海中に生息する動物に限られていた。
doi:10.1038/ncomms3554
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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