Research Press Release
免疫寛容を育む
Nature Immunology
2014年3月17日
制御性T細胞は免疫応答を抑制する作用を持ち、そのため1型糖尿病などの自己免疫疾患を防ぐ働きをする。その発生の仕組みについての報告が寄せられている。
免疫系のT細胞は全て、TCRと呼ばれる受容体分子を発現する。自己免疫作用を引き起こす可能性のあるTCRを持つT細胞は、大半が発生の際に死んでしまうが、一部は制御性T細胞になるために生き残る必要がある。これらの細胞がどのような仕組みで細胞死を回避し、制御性T細胞になるのかは、解明されていなかった。
Michael A. Farrarたちは、マウスの制御性T細胞が細胞表面に3種類の分子(GITR、OX40、TNFR2)を特異的に発現していることと、これらの分子の活性化が、発生中の制御性T細胞を細胞死から守ることを明らかにした。GITR、OX40、TNFR2は、TCRを介して伝達されるシグナルを調節し、制御性T細胞をある種の細胞死から救うことによって、自分の体に対する免疫系の寛容を維持し、自己免疫疾患を防ぐ働きをしている。
doi:10.1038/ni.2849
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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