Research Press Release
汎用的な微粒子バーコード
Nature Materials
2014年4月14日
一意的な標識としてさまざまな工業プロセスに使用できるポリマー微粒子を大量に作製する方法が、今週のオンライン版に報告されている。この方法を利用すれば、例えば偽造防止用や医薬品の包装用に実際に使用できるコードの数を増やすことができる。
ポリマー微粒子にバーコードを付けて情報担体として使用することができる。しかし、一意コードを持つ粒子を容易に大量生産できるか、また処理条件が過酷であっても確実にデコードできるか、という点が制約となって工業プロセスに幅広く導入されるに至っていない。
今回Patrick Doyleたちは、フローリソグラフィー法を利用して、希土類ナノ結晶のパターンを持つポリマー微粒子を合成している。希土類ナノ結晶は、近赤外レーザーで励起すると特定の色に光る。Doyleたちによると、医薬品のブリスター包装、紙幣、クレジットカード、高温キャストセラミックス、プラスチックなどにポリマー微粒子をこっそり埋め込むことができる。埋め込まれた微粒子に特定波長のレーザー光を照射すると、情報を携帯電話で簡単に読み出すことができる。
doi:10.1038/nmat3938
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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