Research Press Release
河川流量に対する降雪量の影響
Nature Climate Change
2014年5月19日
降雪と河川流量(河川とその他の水路を流れる水量)の増加との間に関連性が認められることを報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。地表面温度が上がると、雪による降水が減り、その結果として河川流量が減るということだ。
降雪量が減っても、河川流量に著しい影響は生じないというのがこれまでの考え方だった。今回、Wouter Berghuijsたちは、1948~2001年の米国内の420か所の集水域に対して、水収支の枠組み、つまり、平均蒸発量と平均降水量の比率を適用して、この論点を検討した。その結果、降水量全体における降雪量の割合が増加すると、平均河川流量が増加することが分かった。ただし、その応答レベルは、集水域によってばらつきがあった。
なお、降雪量の減少傾向が利用可能水量に与える影響を解明し、水資源計画を促進するためにはさらなる研究が必要なことが、今回の研究結果によって示唆されている。
doi:10.1038/nclimate2246
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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