Research Press Release
【心理学】人間の大集団の好みを脳検査によって予測する
Nature Communications
2014年7月30日
人気の高いメディアを視聴する数人の神経活動を調べることで、集団レベルの行動上の好みを予測できるようになる、という研究結果を報告する論文が掲載される。今回の研究では、人間の大集団の行動を予測する新しい方法が複数実証された。
人間行動の予測は、選挙結果、新作映画の観客動員数、法律改正や政策転換の影響を予想する際に利用されている。これまでに行われた脳画像研究では、個々人の将来行動を予測できるが、その結果を多人数の集団に当てはめて、集団の将来行動を予測することはできないことが明らかになっていた。
今回、Jacek Dmochowskiたちは、人気の高いテレビ番組の再放送を視聴している最大16人の被験者の脳活動について、脳波(EEG)測定による追跡観察と機能的磁気共鳴画像法(fMRI)による画像診断を行った。その結果、これらのデータを用いることで、ソーシャルメディアでの活動や視聴者の評価によって応答が判断される数千人の集団の関心と好みの行動表現を正確に予測できることが明らかになった。
Dmochowskiたちは、この新知見が、特定の視聴者をターゲットとした教育、マーケティング、メディアの作り方に重要な影響を及ぼすことを期待しているが、大集団のデータを予測するために用いることのできる刺激が何なのかは解明できていない。
doi:10.1038/ncomms5567
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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