Research Press Release
ナノ材料でできた断熱性・難燃性に優れたフォーム材
Nature Nanotechnology
2014年11月3日
セルロースナノファイバー、酸化グラフェン、クレイ(粘土)ナノロッドをまとめて凍結することによって、建物のエネルギー効率向上に適した超高断熱難燃性フォーム材を作製できるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。
断熱性建材は、高い強度、低い熱伝導性、耐火性、耐湿性を兼ね備える必要がある他、建築デザインを損なわずに古い建物に容易に設置できなければならない。これまでの研究で、カーボンナノチューブといったナノサイズの1次元材料や2次元材料を用いれば熱伝導度を低く抑えられること、またナノクレイなどのナノ材料を用いれば耐火性を高められることが明らかになっている。
Lennart Bergstromたちは、今回、液体窒素浴中に設置した鋳型内でセルロースナノファイバー、酸化グラフェン、クレイナノロッドをうまく制御して凍結することによって、非常に多くの細孔を持つ多孔質フォーム材が得られることを報告している。生成したフォーム材は熱伝導度が非常に低いため、パッシブハウス基準に基づくと、断熱材として必要な厚さを50%以上も薄くできる。また、ミリメートル長のチューブがたくさん平行に並んだような均一な細孔構造を持ち、セル壁は薄く滑らかである。原料のナノ材料は、セル壁の中で均一に分散しており、フォーム材に機械的強度、耐湿性、耐火性をもたらす役割を果たしている。
doi:10.1038/nnano.2014.248
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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