COVID-19パンデミックなどの緊急時にAIを迅速かつ安全に使うためには、科学者たちが法律、倫理、運用の基盤を整備しておく必要がある。

Greece used AI to curb COVID: what other nations can learn p.447

doi: 10.1038/d41586-021-02554-y

米国議会は、バイデン大統領が公約した歴史的黒人大学の予算増額を支持すべきだ。

Biden must keep funding pledge to historically Black colleges and universities p.448

doi: 10.1038/d41586-021-02555-x

グローバルサウスの国々が、製薬企業や富裕国に対し、SARS-CoV-2ワクチンを自国生産できるよう要求を。

The fight to manufacture COVID vaccines in lower-income countries p.455

doi: 10.1038/d41586-021-02383-z

SARS-CoV-2は、2つのウイルス系統が別々に動物からヒトへと伝播して生じた可能性が。

Did the coronavirus jump from animals to people twice? p.458

doi: 10.1038/d41586-021-02519-1

2019〜2020年のオーストラリアの森林火災では、これまでの推定よりはるかに大量の二酸化炭素が放出されていたことが明らかに。

Australian bush fires belched out immense quantity of carbon p.459

doi: 10.1038/d41586-021-02509-3

新たな種類の「初期の暗黒エネルギー」が、宇宙膨張の謎を解決する手掛かりとなる可能性が。

New type of dark energy could solve Universe expansion mystery p.460

doi: 10.1038/d41586-021-02531-5

スウェーデンで2020年に新設された研究不正調査機関NPOFに、初年度だけで予想の3倍以上の調査依頼が。

Swedish research misconduct agency swamped with cases in first year p.461

doi: 10.1038/d41586-021-02451-4

世界の人口はどこまで増えるのか

How far will global population rise? Researchers can’t agree p.462

国連は、世界人口が今世紀末に110億近くになると予測しているが、もっと早い時期にはるかに少ない値でピークを迎えると予測する人口学研究もある。

doi: 10.1038/d41586-021-02522-6

キブ湖の危険性

How dangerous is Africa’s explosive Lake Kivu? p.466

アフリカ中央部のキブ湖には膨大な量の二酸化炭素やメタンが含まれており、「湖水爆発」でこれらの温室効果ガスが大量に放出されると懸念されているが、危険性が高まっているかどうかは研究者の間でも意見が分かれている。

doi: 10.1038/d41586-021-02523-5

人類の移動：初期のポリネシア人が東へ移動した時期

Modern Polynesian genomes offer clues to early eastward migrations p.477

今回、現代のポリネシア人集団のゲノム規模の解析によって、古代のポリネシア人が移動した方向と時期が示唆された。このモデルには、考古学や言語学に基づくモデルと一致する点と一致しない点がある。

doi: 10.1038/d41586-021-01719-z

ウイルス学：エボラウイルスはヒトの生存者に潜んでいることがある

Ebola virus can lie low and reactivate after years in human survivors p.478

今回、ギニアにおける2021年のエボラウイルス病のアウトブレイク（集団発生）に由来するウイルスのゲノムと、2016年に終息した西アフリカでのアウトブレイクに由来するウイルスの塩基配列の比較によって、エボラウイルスがヒトの生存者に長期間潜み得ることが示唆された。

doi: 10.1038/d41586-021-02378-w

工学：種子から着想を得た飛行体

Seed-inspired vehicles take flight p.480

多くの植物の種子は、風による効率の良い散布を助ける形状をしている。今回、こうした種子に着想を得て、環境モニタリングから無線通信まで幅広い応用の可能性があるさまざまな飛行体が作られた。

doi: 10.1038/d41586-021-02490-x

生態学：アマゾンの生物多様性を傷つける政策、干ばつ、火災

Policy, drought and fires combine to affect biodiversity in the Amazon basin p.481

今回、アマゾン川流域における約1万5000種のさまざまな植物と脊椎動物の分布域の分析によって、2001〜2019年にその大半が火災の影響を受けたことが明らかになった。干ばつと森林政策は、火災の影響の最も優れた予測因子だった。

doi: 10.1038/d41586-021-02320-0

応用物理学：量子限界に近い光検出

Light detection nears its quantum limit p.483

有機分子は、量子光学技術にますます重要になっている。今回、閉じ込められた有機分子と光の強い結合によって室温での光子検出を改善し得る方法が、実験によって示された。

doi: 10.1038/d41586-021-02489-4

天文学：銀河への流入ガスの枯渇による星形成の停止

Quenching of star formation from a lack of inflowing gas to galaxies p.485

doi: 10.1038/s41586-021-03806-7

天文学：宇宙再電離期の、塵に掩蔽された普通の銀河

Normal, dust-obscured galaxies in the epoch of reionization p.489

doi: 10.1038/s41586-021-03846-z

応用物理学：室温における単一光子の非線形性

Single-photon nonlinearity at room temperature p.493

doi: 10.1038/s41586-021-03866-9

ナノスケールデバイス：フォトニックチップベースの粒子加速器における電子の位相空間制御

Electron phase-space control in photonic chip-based particle acceleration p.498

doi: 10.1038/s41586-021-03812-9

工学：風散布種子から着想を得た三次元電子微小飛行体

Three-dimensional electronic microfliers inspired by wind-dispersed seeds p.503

doi: 10.1038/s41586-021-03847-y

地球科学：三次元の磁気縞模様は、高速で拡大する海洋下部地殻でのゆっくりとした冷却を必要とする

Three-dimensional magnetic stripes require slow cooling in fast-spread lower ocean crust p.511

doi: 10.1038/s41586-021-03831-6

生態学：規制緩和、干ばつ、火災の増加がアマゾン川流域の生物多様性に与える影響

How deregulation, drought and increasing fire impact Amazonian biodiversity p.516

doi: 10.1038/s41586-021-03876-7

人類の移動：ゲノムネットワークから推測されたポリネシアにおける人類の移動の経路とそれらの時期

Paths and timings of the peopling of Polynesia inferred from genomic networks p.522

doi: 10.1038/s41586-021-03902-8

遺伝学：英国バイオバンクの28万1104例のエキソームにおける、まれなバリアントのヒト疾患への寄与

Rare variant contribution to human disease in 281,104 UK Biobank exomes p.527

doi: 10.1038/s41586-021-03855-y

微生物学：ヒト腸内細菌による治療薬の生物蓄積

Bioaccumulation of therapeutic drugs by human gut bacteria p.533

doi: 10.1038/s41586-021-03891-8

ウイルス学：ギニアでの2021年のエボラウイルス病の再流行で示唆されたアウトブレイクの新しい枠組み

Resurgence of Ebola virus in 2021 in Guinea suggests a new paradigm for outbreaks p.539

doi: 10.1038/s41586-021-03901-9

免疫学：改変型IL-2部分アゴニストはCD8⁺ T細胞の幹細胞性を促進する

An engineered IL-2 partial agonist promotes CD8+ T cell stemness p.544

doi: 10.1038/s41586-021-03861-0

がん：CRISPRによる細胞間スクリーニングで明らかになった、がん細胞ファゴサイトーシスの調節因子

Inter-cellular CRISPR screens reveal regulators of cancer cell phagocytosis p.549

doi: 10.1038/s41586-021-03879-4

医学研究：DNA塩基配列解読データを用いてT細胞画分と治療応答を定量化する

Using DNA sequencing data to quantify T cell fraction and therapy response p.555

doi: 10.1038/s41586-021-03894-5

分子生物学：細胞周期に依存する翻訳停止が単一細胞のリボソームプロファイリングによって明らかになる

Single-cell Ribo-seq reveals cell cycle-dependent translational pausing p.561

doi: 10.1038/s41586-021-03887-4

構造生物学：ラジカルSAM酵素MiaBによるtRNAチオメチル化の構造基盤

Structural basis for tRNA methylthiolation by the radical SAM enzyme MiaB p.566

doi: 10.1038/s41586-021-03904-6

構造生物学：アデノシンA₁受容体を介した鎮痛の正のアロステリック機構

Positive allosteric mechanisms of adenosine A₁ receptor-mediated analgesia p.571

doi: 10.1038/s41586-021-03897-2