Nature ハイライト
天体物理学:ガンマ線バーストからの超高エネルギーγ線
Nature 575, 7783

Credit: MPIK / Christian Föhr
長時間継続するガンマ線バースト(GRB)は通常数十秒間続き、その後に残光段階となる。GRBは、重力崩壊型超新星から生じると考えられている。エネルギーの大半は、キロ電子ボルトからメガ電子ボルトの範囲のエネルギーのγ線によって運ばれるが、エネルギーが1 GeVを超える光子もいくつか検出されている。しかし、100 GeVを超えるエネルギーではこれまで観測されていない。今回E Ruiz-Velascoたちは、GRB 180720Bの即時放射の10時間後の、X線フラックスがすでに4桁減少した時に始まる、そうした高エネルギーγ線を観測した。著者たちは、こうした高エネルギー光子は、低エネルギー光子が相対論的電子と衝突した後に散乱されてより高いエネルギーになる、逆コンプトン散乱によるものと考えている。
2019年11月21日号の Nature ハイライト
天体物理学:ガンマ線バーストの残光からのテラ電子ボルト放射
天体物理学:GRB 190114Cの多波長観測
天体物理学:ガンマ線バーストからの超高エネルギーγ線
材料科学:電場によって駆動される冷却
工学:皮膚によって改善される仮想現実
古生物学:二足歩行への道の途中
微生物学:マウスのアルコール性肝炎をバクテリオファージ療法で軽減する
がん:ウイルスを介して皮膚がんを防ぐ
細胞生物学:tループの動態を制御するスイッチ
光合成:Qサイクル中での電子伝達
構造生物学:古代の遺伝子転位機構