Nature ハイライト
超分子化学:分子集合体の鎖をつなぐ
Nature 583, 7816
カテナンは、機械的に連結した分子の一種であり、分子スケールの鎖に似ている。こうした「機械的に結合した」一連の分子集合体は、2016年にノーベル賞で認められた。今回、矢貝史樹(千葉大学)たちは、環状超分子集合体(本来的に従来のカテナンの環状分子よりも大きい)から着手することで、原子間力顕微鏡で「見る」ことができるほど大きなカテナンを開発している。大きなカテナンの形成は、機械的に相互連結した結合を1つ形成するのに事前組織化が必要で、超分子集合体が本質的に共有結合分子よりも不安定であるという事実から非常に難しい(2つ以上の連結ではさらに困難になる)。著者たちは、最多で22個の環状体からなる一連のカテナンを提示し、特に5つの環状体がつながったカテナンを「ナノリンピアダン」と名付けた。
2020年7月16日号の Nature ハイライト
物性物理学:相関グラフェンにおける相の競合
物性物理学:金属性グラフェンの超伝導
触媒:Ni担持触媒上における窒素空孔を用いる高効率のアンモニア合成
超分子化学:分子集合体の鎖をつなぐ
古生物学:恐竜の卵は最初は軟らかかった
古生物学:南極で見つかった白亜紀の巨大な卵
神経科学:脳に侵入するタンパク質を可視化する
コロナウイルス:COVID-19の重症度に影響を及ぼす宿主とウイルスのパターン
微生物学:腸における微生物相を介した交感神経系の調節
免疫学:自己免疫のリスク座位はTreg細胞特異的なエンハンサー機能と関連する