Nature ハイライト

Cover Story:量子のつながり:光ファイバーネットワークにおいて遠く離れた結晶が記憶するエンタングルメント

Nature 594, 7861

エンタングルメントを遠く離れた相互接続されたノードに配送し、記憶できる量子ネットワークによって、量子通信、量子センシング、分散量子計算などの応用が可能になると思われる。今回H de Riedmattenたちは、2つの遠隔固体メモリーの間の伝令付きエンタングルメントについて報告している。こうしたエンタングルメントは、2つのメモリーの間にある光子の検出によって伝令され、メモリー結晶に最長で25 μsの間記憶される。この記憶プロトコルによって時間多重化が可能になり、エンタングルメント速度を大きく向上させることができる。さらに、この機構は、光ファイバー通信ネットワークに適した波長の光子を使っているので、既存の通信インフラを用いて量子ネットワークと量子リピーターを運用できる可能性がある。表紙はこのシステムの想像図で、2つの結晶が1つの光通信ネットワークに接続されており、エンタングルメントの伝令光子(画像中央)によって生じる2つの可能性が、上下に重なり合う鏡像として描かれている(どちらか1つの結晶が励起状態となる)。今週号のもう1つの論文ではC Liたちが、3.5 m離れた2つの量子メモリーの間の伝令付き2光子エンタングルメントについて報告している。

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