Nature ハイライト

材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に

Nature 594, 7861

ペロブスカイト太陽電池技術の電力変換効率は、今やシリコン系技術に肩を並べるまでになっている。しかし、商業化に向けたそれらの進歩には、まだ障壁がある。時間と費用のかかるドーピング処理はそうした障壁の1つで、この過程は、ペロブスカイト膜とアノードの間にある層状の正孔輸送材料のp型特性を高めるのに必要とされる。今回A Taylorたちは、CO2と紫外光を用いたスピロ-OMeTAD:LiTFSI(よく使われる正孔輸送材料)のドーピングという新たな方法によって、導電性をほんの数分で1~2桁増大させたことを報告している。このドープされた材料を含む太陽電池デバイスでは、電力変換効率が従来型のドープされた中間層と比べて高くなった。この処理過程によって作製時間が数時間削減され、この有望な技術の大量生産が容易になる可能性がある。

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