Nature ハイライト
材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
Nature 594, 7861
ペロブスカイト太陽電池技術の電力変換効率は、今やシリコン系技術に肩を並べるまでになっている。しかし、商業化に向けたそれらの進歩には、まだ障壁がある。時間と費用のかかるドーピング処理はそうした障壁の1つで、この過程は、ペロブスカイト膜とアノードの間にある層状の正孔輸送材料のp型特性を高めるのに必要とされる。今回A Taylorたちは、CO2と紫外光を用いたスピロ-OMeTAD:LiTFSI(よく使われる正孔輸送材料)のドーピングという新たな方法によって、導電性をほんの数分で1~2桁増大させたことを報告している。このドープされた材料を含む太陽電池デバイスでは、電力変換効率が従来型のドープされた中間層と比べて高くなった。この処理過程によって作製時間が数時間削減され、この有望な技術の大量生産が容易になる可能性がある。
2021年6月3日号の Nature ハイライト
天体物理学:銀河系内の12個の線源からの超高エネルギー光子
物性物理学:モアレ・トリオン
材料化学:正孔輸送材料用のドーピング処理を簡単に
生態学:湖沼の酸素濃度の低下
食物学:サハラ以南のアフリカにおける穀粒の微量栄養素量に関する地域レベルの調査
コロナウイルス:SARS-CoV-2スパイクを介した細胞間融合に関わる機構
神経免疫学:紫外線で損傷した皮膚におけるニューロンによる組織修復の調節
がん:AIで腫瘍の起源を見つけ出す
細胞生物学:ユビキチンの新たな性質
分子生物学:アンチセンスRNAが持つ調節機能
構造生物学:遺伝子転写を開始する