Nature ハイライト

Cover Story:量子コンパス:磁気感受性のあるタンパク質が渡り鳥のナビゲーションを助けている可能性

Nature 594, 7864

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Credit: Corinna Langebrake and Ilia Solov’yov

多くの動物が、地球の磁場を用いてナビゲーションに役立てているが、この体内のコンパスの正確な性質はまだよく分かっていない。今回P Horeたちは、渡りを行う鳴禽類のコンパスの有力な候補になるタンパク質の量子的性質を明らかにしている。彼らは、渡りを行うヨーロッパコマドリ(Erithacus rubecula)の網膜に見られるタンパク質のクリプトクロム(ErCRY4)を調べ、光依存性のコンパスとして機能するのに必要なレベルの磁気感受性があることを見いだした。また、ErCRY4はin vitroで、光に駆動されて化学反応して量子効果を生じさせ、これが磁気信号を感知できるようにしている可能性があることも分かった。さらに著者たちは、ErCRY4の磁気感受性が、渡りを行わないハト(Columba livia)やニワトリ(Gallus gallus)のCRY4の感受性より高いことも見いだし、これが、ヨーロッパコマドリのナビゲーションにおける需要な成分である可能性が高いと結論付けている。

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