Nature ハイライト

Cover Story:遺伝子の精霊:AIが解明したDNA塩基配列の進化的特性

Nature 603, 7901

50年以上にわたって、DNA塩基配列、遺伝子発現表現型、適応度の間の関連を理解し、遺伝子調節の進化の原理を解明する試みがなされてきた。今回E Vaishnav、C de Boer、A Regevたちは、この目標に一歩近づく、調節DNA配列を理解し操作するための枠組みについて報告している。著者たちは、プロモーターDNA配列を与えると遺伝子発現を予測するディープニューラルネットワークモデルを用いて開発した「預言者」を中心にしてこの枠組みを構築した。このニューラルネットワークは、数千万のプロモーター配列の発現測定データを用いて訓練された。その結果、調節DNA配列の進化史と将来の進化可能性を調べたり、合成生物学用途に調節DNA配列を設計したりするのに十分なほど、うまく塩基配列から発現を予測するAIの預言者が得られた。表紙は、進化可能性の範囲の極限に塩基配列の進化特性を視覚的に表現したものである。

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