Nature ハイライト
Cover Story:火球段階の新星:X線の短時間のバーストが明らかにした白色矮星における爆発の初期段階
Nature 605, 7909
新星爆発は、伴星から水素が降着している白色矮星において熱核暴走反応が引き起こされたときに生じる。そして、大量のエネルギーが放出され、新星として裸眼で見えるほどに明るい光源が生まれる。しかし、そのエネルギーの一部は、この反応の初期段階で極めて明るい閃光として失われ(火球段階)、低エネルギーX線として検出できると予測されている。今回O Königたちは、この予測を裏付ける観測結果を提示している。著者たちは、X線宇宙望遠鏡eROSITAによる掃天観測結果を用いて、新星レチクル座YZ星が可視スペクトルで見えるようになる数時間前の、短時間で明るいX線の閃光を特定した。表紙は、火球段階の新星の想像図である。
2022年5月12日号の Nature ハイライト
応用数学:量子攻撃に耐えられる組織への移行
天文学:ブラックホールの成長を抑制するクエーサー
ナノフォトニクス:過渡的な電荷キャリアの励起と分離
光物理学:例外点以外での非エルミート系の直感に反した挙動
ナノスケール材料:2Dトランジスター用の高誘電率ペロブスカイト膜
材料科学:悪影響もある不動態化処理
物性物理学:テラパスカル領域の超高圧合成
生命の起源:RNAとペプチドが結合した世界
保全生物学:爬虫類の保全ニーズ
神経片影:解けない脳内繊維
幹細胞:ヒト多能性幹細胞から全能性胚様細胞を作製
幹細胞:化学的操作でヒト多能性幹細胞を作製
植物科学:閉じた気孔を再び開く植物サイトカイン
コロナウイルス:SARS-CoV-2感染に対するTMPRSS2阻害剤の有効性
免疫学:全身性エリテマトーデスにおけるTLR7活性化変異
細胞生物学:G1期からS期への移行はCDC7がなくても起こる
細胞生物学:藻類のCO2濃縮機構にエネルギーを供給する経路
分子生物学:可逆的なリン酸化修飾がtRNAに耐熱性をもたらす