Nature ハイライト

Cover Story:平等な野原:草食動物は、背の低い植物が光を巡って競争できるようにすることで草原の多様性の維持に役立つ

Nature 611, 7935

土壌に施肥したり、ヒツジなどのグレーザー(主に草本を採食する動物)を排除したりすると、草原の植物多様性が低下する。今回A Eskelinenたちは、こうした多様性の低下を駆動する主要な要因が、光を巡る植物種間の競争であることを示している。彼女らは、ドイツの草原で研究を行い、地表面の近くにランプを置くことで、背の高い植物の活発な成長による光の遮蔽効果を弱めた。その結果、施肥や草食動物の排除によって背の高い植物の成長が促進され、光量が減少するとともに多様性が低下するが、地表の近くに光源を置くとこうした影響が相殺され、多様性の維持に役立つことが分かった。今回の結果は、野生および家畜化されたグレーザーの両方が草原の生物多様性の保護に役立つ可能性を示唆している。

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