Nature ハイライト

Cover Story:気候ストレス:アマゾン熱帯雨林の生態系は2050年までに転換点に達する可能性がある

Nature 626, 7999

アマゾン熱帯森林。
アマゾン熱帯森林。 | 拡大する

Andre Dib

表紙は、ブラジル・マットグロッソ州のアウタ・フロレスタで、アマゾン熱帯雨林の霧のかかった朝を捉えた写真である。地球の生物多様性の10%が存在するこの熱帯雨林は、重要な炭素貯蔵地であり、地球の気候の安定化に役立っている。今回B Floresたちは、早ければ2050年には、気候ストレスと土地利用ストレスによって、この熱帯雨林が転換点を超える可能性があることを明らかにしている。著者たちは、古記録、気候モデル、観測データを用いて、水ストレスの5つの原因、すなわち地球温暖化、年間降水量、季節ごとの降雨強度、乾季の長さ、森林伐採を調べた。分析の結果、アマゾン川流域の森林の10~47%が、今後、生態系の遷移を引き起こす可能性がある水ストレスにさらされることが明らかになり、これによって生態系は2050年以降に転換点を超え、崩壊が起こる可能性があることが示された。

2024年2月15日号の Nature ハイライト

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