Nature ハイライト 宇宙:超新星とX線フラッシュの関係 2006年8月31日 Nature 442, 7106 継続時間の長いγ線バースト(GRB)と超新星との間に関係があることは立証されているが、もっと弱くエネルギーの低いX線フラッシュと超新星との間にも同様な関係があるかどうかははっきりしていない。今年2月18日にスウィフト衛星がとらえたGRB/XRF 060218は、この問題のミッシングリンクとなるかもしれない。この新発見のバースターに関する4編の論文のうち、まずCampanaたちは、衝撃波の突発的な発生の痕跡をX線で観測し、これがおそらく爆発中の超新星を示す証拠であると論じている。Pianたちは、GRB/XRF 060218に付随するIc型超新星SN 2006ajの可視光観測による発見について報告している。Soderbergたちは、電波とX線での観測結果から、XRF 060218が宇宙論的GRBに比べると100分の1のエネルギーしかもっていないが、10倍多く存在するタイプに属することを報告している。Mazzaliたちは、SN 2006ajのスペクトルと光度曲線のモデルを構築し、SN 2006ajがほかのGRBに付随した従来のよりもずっと小さい爆発エネルギーしかもたず、放出物質の量も大幅に少ないことを示し、SN 2006ajはおそらく太陽の20倍程度の質量しかない星から生じ、後にはブラックホールではなく中性子星が残ったのだろうと考えている。 2006年8月31日号の Nature ハイライト 遺伝:植物が子孫に伝えるもの 生物物理:鞭毛回転の秘密に迫る 免疫:マスト細胞と移植拒絶 細胞:適時に適所へ送る方法 宇宙:超新星とX線フラッシュの関係 分光学:NMRでスナップショット 地球:拡大する海嶺下のマグマだまりを見る 脳:ギャンブルするならドーパミン 細胞:映画はもう見た? 目次へ戻る