Nature ハイライト 細胞:終止コドンがタンパク質生合成を終わらせる仕組み 2010年6月17日 Nature 465, 7300 細菌では、タンパク質合成は極めて正確な終わり方をする。mRNA上の終止コドンに、アミノ酸を結合したtRNAではなく、終結因子のRF1かRF2が結合すると、新生タンパク質が遊離する。最近、いくつかの終結複合体の結晶構造が発表されたことで、終止コドンの読み取りのエネルギー論的性質を数値解析して、終結因子結合の高い精度がどこに起因するのかを突き止めることが可能になった。14種の終結複合体の分子動力学シミュレーションにより、終止コドンの読み取りがこれまで未解明だったいくつかの相互作用や認識スイッチによって成り立っていること、さらに、これはトリペプチドアンチコドンの「tRNA擬態」モデルでは説明できないことが明らかになった。 2010年6月17日号の Nature ハイライト 宇宙:KBO 55636を見直す 物性:磁気電気スカーミオン 物理:究極の波束制御法 地球:岩石に刻み込まれたアルカリ度 進化:低速レーンに乗るタンパク質 医学:全身性エリテマトーデスでコルチコステロイドの効果を増す 細胞:終止コドンがタンパク質生合成を終わらせる仕組み 目次へ戻る