Nature ハイライト 物理:磁気画像化 2010年8月12日 Nature 466, 7308 ナノ磁気学研究の急速な進歩は、磁気センシング技術や磁気メモリー技術に果敢に応用されてきた。しかしこれまで、これらの複雑なナノスケール構造体の特性評価ができる高分解能の磁気画像化手段はなかった。今回、オハイオ州立大学(米国)の研究チームが、強磁性共鳴画像化とよばれる走査プローブ技術を開発し、それを可能にした。一般的に、強磁性共鳴に基づく研究では、分光学的情報しか得られず、画像化ができない。これは、強磁性共鳴モードが試料全体に広がるためである。今回の新しい方法では、マイクロ磁気プローブの空間的に閉じ込められた強い磁場を使って、強磁性共鳴モードをプローブ直下に局在化させている。これによって、磁気的特徴がナノ構造体の表面下に埋もれていても、最高200ナノメートルの分解能でそれらの特徴を画像化することが可能になる。 2010年8月12日号の Nature ハイライト 細胞:2種類の細胞が作り出す幹細胞ニッチ 細胞:マイクロRNAはメッセンジャーを狙い撃つ 物理:磁気画像化 気候:雲をシミュレートする 地球:現在の始原的火山活動 行動進化学:懲罰の段取り 脳:不安の遺伝因子 医学:がんに関連する突然変異 生理:発生シグナルによる心臓電流のパターン化 細胞:微小管の対称性 目次へ戻る