Nature ハイライト
宇宙:実験室で作られる宇宙磁場
Nature 481, 7382

Credit : For the the shock measurements credits to A. Ravasio (LULI), A. Pelka (LULI), J. Meinecke (Oxford) and C. Murphy (Oxford). The numerical simulation was performed by F. Miniati (ETH).
比較的若い研究分野である実験室宇宙物理学の例では、パリ近郊のパレゾーにあるLULI 2000レーザー施設の研究チームが、宇宙物理学的環境内で磁場がどのように発生するかという問題に取り組んだ。標準モデルでは、「種」となる磁場がダイナモ過程や乱流過程を介して増幅され銀河磁場が生じるとしている。非常に小さな種磁場は、熱的に発生した電場によってビアマン(Biermann)バッテリー効果を通じて誘起されると考えられている。この機構が実際に起こりうることが、銀河間物質中での宇宙物理学的衝撃波に伴う条件を模倣した系で示された。種磁場は実際、ビアマン効果によって発生した。この結果をスケールアップして、7億年程度の時間スケールで乱流が作用しうる銀河間物質に当てはめると、観測されている程度の銀河磁場への増幅が可能となる。
2012年1月26日号の Nature ハイライト
細胞:幹細胞の住環境の詳細な解析
構造生物学:神経伝達物質チャネルの内向きと外向きの構造
宇宙:「2個の太陽」は天の川銀河ではありふれている
宇宙:実験室で作られる宇宙磁場
物理:高エネルギー原子X線レーザー
化学:自己集合の柔軟性
脳:脳内での神経情報処理
細胞:代謝の定量
細胞:アクチンには居残る力がある